栄 養不良の問題は、3人に1人が直接的に影響を受け ており、今日国際社会が直面している問題でこれ ほど規模の大きなものはほとんどありません。栄養不良は、子どもの成長や発育不全だけではなく、極度の消耗状態に ある個人が病気にかかりやすくなったり、肥満状態にある 個人の血液に糖分、塩分またはコレステロールが過剰に含 まれていたり、あるいは重要なビタミンやミネラルが欠乏 していたりするなど、さまざまな形で現れます。栄養不良や 不適切な食事は病気を引き起こす世界最大の危険因子で す。栄養不良による深刻な公衆保健問題に直面していな い国はありません。栄養改善における1ドルの投資に対し 16ドルの経済効果が証明されているにもかかわらず、アフ リカとアジアでは毎年国内総生産(GDP)の11%を栄養不 良により損失しています。各国は栄養改善に向けて目標値 を定め、これに合意していますが、近年若干の進展が見ら れたとはいえ、目標達成は難しくなっています。世界の栄養 状況に関する第3回目となる本報告では、この進展の遅い状況を変え、2030年までにあらゆる栄養不良を根絶するた めのさまざまな方法を紹介しています。

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